作業カタログ (運用設計ツール)

LastUpdated: December 29, 2012

運用研究にマージ予定。

Note

暫定メモのため移動する可能性があります。

作業カタログとは

運用現場で日々発生する作業の一覧。

顧客への提供サービスを一覧化した「サービスカタログ」の対になることを想定し、「作業カタログ」と名付けている。

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Note

顧客への「サービスカタログ」上の各サービスを提供するために運用現場で発生する作業の一覧を「作業カタログ」と考える。

作業カタログ 2つのアプローチ

トップダウンアプローチ
本来の運用設計に基づく作業カタログ作成方法 (本稿では省略)
ボトムアップアプローチ
現在の運用現場の現状を洗い出す目的で実施する作業カタログ作成方法 (次項参照)
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ボトムアップアプローチ

詳細設計、測定の全体像

_images/zones.png

Note

問題解決の基本アプローチ

  • step1. 問題の認識 (See before)
    • あるあるゾーン (before)
    • 運用に対する「現状認識」の把握
  • step2. 調査分析 (See before)
    • 現状分析ゾーン
    • 運用業務の現状調査/分析
    • 測定ゾーン (現状分析のために先に測定が必要な場合)
  • step3. 解決案の立案 (Plan)
    • 「運用工程」の分析/再設計
    • 計画/目標設定ゾーン
      • “目標への障碍” は何か
      • “目標への障碍” を解消するためのマイルストーン (中間目標)
    • 工程再設計ゾーン
    • 組織再設計ゾーン: 組織ミッション整備 / サービスカタログ再定義
  • step4. 解決案の実施 (Do)
    • 「運用工程」の変更/測定
    • 工程再実装ゾーン: 工程ドキュメント(設計/手順書)整備 / 自動化
    • 組織再実装ゾーン
    • 測定ゾーン
  • step5. 結果の評価 (See after)
    • 運用に対する「変化/効果」の把握
    • あるあるゾーン (after)
    • step1に戻る
  • step1に戻り、次のサイクルに入る。

Note

各中間目標へのアプローチ

  1. 要望
  2. 予想される現実
  3. 行動

See before: あるあるゾーン (Lv1. 整理)

現状定義

output
運用あるあるチェックシート
before
  • 何に困っているか漠然としている

action

  1. 3大課題の把握
  2. 悪影響は何か
  3. 望ましい状態は何か
after
  • 何に困っているのかが一次情報として客観化される。
  • この後の改善施策の効果測定のための基準(before)となる。
効果測定
振り返りアンケート
  • このままでいいのか?
    • Yes: 終了
    • No: 現状分析ゾーンへ

Note

改善する場合、SCAの3要素が必要となる。

  • S: Status (current)
    • 現状の把握
    • -> 現状分析ゾーン
    • -> 測定ゾーン
  • A: Activity (past)
    • 歴史的経緯、背景とその成立ロジックの把握
    • -> 工程再設計ゾーン
  • C: Change (future)
    • どう改善していくかのビジョン、改善後のイメージ
    • -> 全ゾーン(測定/工程再設計/組織再設計)

See: 現状分析ゾーン (Lv1. 整理)

  • スコープシート

    output

    スコープシート

    • 3大業務、7ステップ(グループ/人が変わるところで区切る)
    before

    どの業務で困っているか漠然としている。優先順位が決まっていない。

    after
    • その人の重視ポイントがわかる
    • その人の業務把握イメージの見える化
    効果測定

    振り返りアンケート

    • それが妥当か? / 何をすべきか?
  • 作業カタログ ミニマム版

    output

    作業カタログ (ミニマム版)

    ドキュメント、スキル定義、ツールの現状把握

    before

    どの作業がブラックボックス化しているか可視化されていない。

    after

    各作業の属人状況が見える化される。

    効果測定

    振り返りアンケート

    • それが妥当か?
  • 作業カタログ 簡易版

    output

    作業カタログ (簡易版)

    定常非定常4分類

    before

    どの程度、属人作業があるかわからない。

    after

    項目ベースでの定常作業(非属人)比率がわかる。

    効果測定

    振り返りアンケート

    • それが妥当か?

Plan: 改善計画ゾーン

定義/status: どうしたい (after)

  • “3つの望ましい状況” に対する障碍を洗い出す。
  • それぞれを実現するための “障碍” を洗い出す。
  • それぞれの “障碍が解消すること” を “中間目標” と定義する。
    • “障碍” と “解決(中間目標)” がペアになる。
    • “望ましい状況” に近づくために、中間目標xxx を実現する。 (目的の明確化)
  • どの “中間目標” までを今回のゴールとするか決める。 (ゴールの明確化)

change:

  • 成果物 (手段)
    • “ゴール(中間目標)” の成果物を定義する。
  • 成果基準 (影響)
    • “ゴール(中間目標)” における成果物の達成基準を定義する。
  • 納期
    • “ゴール(中間目標)” の工程表を作成する。
      • 工数見込み
    • “ゴール(中間目標)” の達成時期を定義する。

activity:

  • 工程表
    • “ゴール(中間目標)” の工程表を固定の位置で公開する。
  • アクティビティ
    • 頂点に 中間目標 を記述する。
    • ボトムに 下記 を記述する。
      • 現実
      • 要望
      • 行動
    • 一段上
      • 予想される現実
      • 要望
      • 行動

ロードマップ/タスク/スケジュールシート

output

Plan: 工程再設計フェイズ (Lv1 整理)

before
作業工程について歴史的経緯などのWhyが不明のものがある、人手作業を要するなど、非効率な部分がある。ブラックボックスになっておりわからないことが多い。
After
作業工程上の改善ポイントの見える化、エンジニアリングの適用を前提とした改善案が見えてくる。(一歩進めた場合、全面的な再設計が完了する。)
効果測定
振り返りアンケート

Note

UNIXの定理1. スモール イズ ビューティフル UNIXの定理2. 一つのプログラム(工程)には一つのことをうまくやらせる UNIXの定理3. できるだけ早く試作を完成する。 UNIXの定理4. 効率より移植性 UNIXの定理5. 数値データはASCIIフラットファイルに保存する UNIXの定理6. ソフトウェアの梃子を有効に活用する UNIXの定理7. シェルスクリプトを使うことで梃子の効果と移植性を高める UNIXの定理8. 過度の対話的インタフェースを避ける UNIXの定理9. すべてのプログラム(工程)をフィルタにする

参考:「UNIXという考え方」(Mike Gancarz 著 / 芳尾 桂 監訳 オーム社,2001)

Do: 工程再実装ゾーン (Lv2 客観化)

output
基準軸
  • Q: ?
  • C: 標準工数
  • D: 標準時間
before
作業工程について歴史的経緯などのWhyが不明のものがある、人手作業を要するなど、非効率な部分がある。エンジニアリングの活用が不十分である。
after
ボトルネックの解消、自動化
効果測定
振り返りアンケート

Do: 組織再設計ゾーン (Lv2 客観化)

output
運用組織価値マップ
基準軸
  • Scalability
  • Specialism
  • Management
before
(検討中)
after
業務価値ベクトル/トレードオフの明確化
効果測定
振り返りアンケート

Do: 測定ゾーン (Lv2 客観化)

output
作業カタログ (標準版)
基準軸
  • Q: ?
  • C: 実工数/料金
  • D: 実工数時間/デリバリ期間
before
定量的評価に必要な測定データが無い。
after
測定データの取得、蓄積、分析可能化
効果測定
標準作業時間/工数の削減、作業ミスの低減

See after: あるあるゾーン (Lv2 客観化)

output
運用あるあるチェックシート (更新版)
before
何に困っているか、が一次情報として客観化されている
after
困っている一次情報が一部解消し、次の改善候補がリストアップされている。
効果測定
  • 振り返りアンケート
  • あるある項目の推移

See next 次の改善へ

作業カタログの最終形

  • 作業カタログが業務一覧の原本であり、運用業務に必要な情報(設計、実装、実績)と連動して更新されていること。(保守性)
  • 使いたい時に使える(反復利用できる)状態になっており、作業カタログを起点に各情報にアクセスできること。(可用性)
  • 常に更新され、現状を正確に反映していること。(信頼性)

参考