運用現場の課題 2011¶
2011-07-22 odstudy #01 発表資料より抜粋
Note
暫定メモのため移動する可能性があります。(2012-02-04)
運用現場の理想ってなんだろう?¶
- サービスの安定
- 社会基盤に相応しい安定運用。
- 業務負荷が平準的
- 個々人ががんばりすぎなくてもうまく業務が回る運用現場。
- 運用に対する評価が適性
- 適正な利潤を生む現場と、適切に評価される要員。

現実は混沌¶
- なんだかとにかく忙しい
- でも「運用は忙しそうにしているけど、何やっているのかよくわからない」と言われてしまう。
- トラブルの多発により、更に業務を圧迫している。
- アンドキュメンテッド運用、特定の人への業務集中
- ドキュメントが無いか、あっても他人が読めないもしくは更新されていないため、頭に入っている人以外は作業ができなくなっている。
- アンドキュメンテッド運用による属人化により特定の人に業務が集中して高負荷になっている。またボトルネックになっている。
- マイナス評価が基本、コストカットの対象
- 稼働率100%からのマイナスで評価されがちで、モチベーション維持や優秀な人材の引き止めが課題になっている。
- 経営層からはコストセンターとして見られ、常にコストカットの要求にさらされている。
Note
実は世の中でもよくある風景

運用現場の諸問題¶
運用現場の課題の多くは、下記の3つの要因が複合化して起きていると考えられる。
- 高負荷
- 業務の複雑化。
- 特定の人に業務が集中して高負荷になっている。またボトルネックになっている。
- 属人的
- 業務のブラックボックス化。
- アンドキュメンテッド運用
- 見えぬ費用対効果
- 時間の経過による低付加価値化
- 「運用はコストセンター」(会計上の「効果(収益/資産)」が無い)
現場では制御不能状態

制御不能状態を加速する「運用でカバー」¶
「運用でカバー」はマイナスをゼロにする努力にすぎない」ことが多い。
社会情勢の変化 before¶

社会情勢の変化 after¶

「運用でカバー」がもたらすもの¶
- 非合理的主観の日常化 / 作業の「見えない化」昂進
- アンドキュメンテッド、属人化 更なるブラックボックス化
- 定形外要求の増加、際限のない品質要求
- 定形外要求(個別対応)の恒常化 個別対応による更なる業務複雑化 書面外の期待、行間に...
- コストの「見えない化」昂進
- 元々、費用対効果の説明が難しい「運用」 見えにくい作業の増加による更なる説明困難化 成果や効果測定も曖昧 更なる低付加価値化
Note
運用業務の「見えない化」昂進

来たるべき未来¶
消えるインフラ運用¶
SaaS から IaaS へと発展してきた仮想化/クラウド化。普及は逆にIaasからSaaSへと進むと考えられる。
- SaaS: Service as a Service
- 多様な要求、変化が激しい
- PaaS: Platform as a Service
- 多様な要求、変化が激しい
- IaaS: Infrastructure as a Service
- 要求が比較的画一的 納期/コスト削減効果 大

消えゆく日本の運用現場¶
- 単価の安い単純仕事はアウトソーシング、オフショアで中国、インドへ。
- 単価の高い仕事は、生産性の高いアメリカ、中国、インドの優秀なエンジニアへ。
- 中途半端な日本は居場所がない。
専門性からみたTier¶
- Tier3. 単価の高い高度仕事 (Proffesionalism)
- Tier2.
- Tier1. 単価の安い単純仕事 (Scalability)
日本は運用でカバーにより、あらぬ方向へベクトルが
- Proffesionalism: 専門性が評価されていない。説明できていない。
- Scalability: 業務が複雑かつ属人的でスケーラビリティに欠けている。

実際に...¶
- クラウドに喰われはじめている現場はある。
- しかしクラウドそれ自身は「運用でカバー」してくれない。
- 3年後、運用現場がなくなったとき、ユーザがどうなっているかは誰もわからない...
中途半端な日本の運用現場は未来がない?¶
- 本当にそうなのか?
- 「運用でカバー」は高度な判断力が必要。
- でも、それが評価されていない。
しかし確実に沈んでいく¶
- 運用現場はコストセンター。財務会計上も管理会計上も。
- 「高負荷」、「属人的」、「費用対効果が見えない」現場は今後組織ごと沈んで行くのは確実。
運用現場の現在をみつめよう¶
「運用は何をやっているのかよくわからない」とおっしゃる方がいます、が
「やっている方もよくわかってないんですよ」、と
までは、言えませんが、なんだかうまく説明できない。
ドキュメントのない作業は「業務が存在しない」に等しい
Note
ドキュメントを作ろう It’s 業務資産!
参考¶
- 商用サービス運用の現状と課題 - 費用対効果との闘い (CTCアカデミックユーザアソシエーション View Point 第11号, 2011/03)
- 発表資料 (CTCアカデミックユーザアソシエーション第9回合同研究分科会, 2010/10)
- Think IT (インプレスビジネスメディア) 短期連載: 『 現場視点からの運用方法論 』(第1回) 「 見えない「運用」 - 疲弊する運用現場 」