IE手法入門¶
Industrial Engineering (生産工学 / 生産管理)
職場の改善活動においてQCDを独立に扱うことは不可能
- 製品、サービスの改善を議論するうえで、品質、原価、生産性の関連性は無視できない。
問題を主観によって決め付けるのではなく、定量的な分析で明らかにすることが重要。 ギャップが明確になる。
品質管理の分野では、QC7つ道具が初学者でも容易に扱える。 生産管理の分野では、IE手法が存在する。
- IE手法とはなにか
- 工程分析 (工程の概要を把握する)
- 稼動分析 (作業や機械のムダを把握する)
- 時間研究 (時間の側面から無駄を発見する)
- 動作研究 (人の動作からムダを発見する)
- 運搬分析 (モノの運び方からムダを発見する)
- 事務分析 (帳票類の流れからムダを発見する)
- PTS法 (新規工程設計に対するアプローチ)
- 生産工学用語辞典 (日刊工業新聞社)
- JIS(日本工業規格)
1. IE手法とはなにか¶
IE手法とは¶
Industrial Engineering (生産工学 / 生産管理) 1800-1900年頃に固まった。
まず仮説をたて、データで語らせることにより仮説を検証する。
工程全体を的確に捉え、問題点を定量的に把握することは必要不可欠。
IE手法の全体像¶
問題解決的アプローチ
- 稼動分析:
作業者や機械設備の稼動内容の各項目について、その時間、または時間的構成比率を求め、その資料に基づいて稼働率の向上や余裕率の資料収集などを行う手法の体系。 作業者または機械設備の稼動状態を長時間にわたって連続的に調査、分析する手法。(JIS)
具体的になにをしているのか分析する。 工程分析で分解された各工程について、実際にどのような作業がどの程度されているのか把握する。 稼働率、余裕率の算出に適用する。これが明確になっていないと標準時間の設定が困難になる。
- 作業のプロセスに関して、工程分析を実施して工程を表出する。
- 工程ごとの作業標準を定める。
- 各作業について作業時間を明確にする。
- 作業を安定的に継続するために、職場の稼働率を明確にする。
- 適切な余裕率を確保するため、余裕作業を明確にする。
- 職場余裕
- 作業余裕
- 疲労余裕
- 用達余裕
- 手法
- 瞬間観察法 (ワークサンプリング)
- 連続観察法 など
- 時間研究:
作業またはその一部を遂行するために要した実際の時間を、適当な時間測定具を用いて測定し、得られた情報に基づいて作業の改善や標準時間の設定を行う手法の体系。 作業を要素作業または単位作業に分割し、その分割した作業を遂行するのに要する時間を測定する手法。
作業を分解して、各作業の時間を計測し、改善を実施する。
プロセスを工程分析によって明確にし、各工程の作業標準を定め、各工程で管理すべき項目を明確にして、各工程の作業時間について研究する。
- サービス提供の場合、同じ時間で提供することが必ずしも品質がいいことにはならない。
- ものづくりの場合、均一な時間で作業が行われることが品質に影響する。
- 手法
- ストップウォッチ法
- PTS法 (あらかじめ決められた基本となる時間値から、その作業時間を求める方法)
- 動作研究:
- 人間の動作に無理がないか検討する。
- 運搬分析:
- モノや人の流れに着目して改善を行う。 関連して事務分析がある。
設計的アプローチ
- PTS法